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中央大学法修会研究室 創立70周年記念  

OB・OGの声

はい、田舎弁護士です   寄井 真二郎(32期) 

 弁護士登録が1999年なので、弁護士生活も25年となれば、中堅といったところでしょうか。この25年で、弁護士を取り巻く環境も変わり、弁護士人口も増え、法律事務所も生き残りのため競争の激しい時代になりました。
 法律事務所が生き残っていくためには、日々の試行錯誤と工夫に尽きると言えます。
 それに加え、地方都市では、マルチプレイヤーが要求されます(マチ弁が通常取り扱うような民事・家事・労働・刑事事案に加え、上場・非上場会社(IPO準備会社も含む)や国立大学の役員への就任、医療過誤(患者側)、建築瑕疵(請負会社側)、加計学園に関連する住民訴訟(行政側)、国賠訴訟(行政側)、原発訴訟(電力側)、会社関係訴訟、民事再生の監督員等専門的な知見を要する事案も取り扱っています。都会で孤独死された方の死後の整理も複数経験あります。とはいえ、何が得意ですか?ときかれたときに、自分の強みを言えないようでは信用もされません。
 当事務所で個人事件分野において、取扱量が多いのは被害者側の交通事故事案です。より専門的に学ぶため、日弁連交通事故相談センター、日本損害保険協会、自研センター等での研修を受講し、また、日本交通法学会、日本賠償科学会の会員となり定期的な研修に参加し、さらに自保ジャーナル・交通事故民事裁判例集等の専門誌を定期購読し研究を重ねることによって、自分の強みが「交通事故」であると、胸を張って言えるように漸くなってきたように思います。おかげさまで、レガシィから交通事故セミナーの複数の依頼をされるなど、「交通事故に強い弁護士」のネームバリューも高まってきているような気がします。
 ただ日々の試行錯誤、日々の「知識の仕入れ」には時間を割くしかないのですが、これがなかなか上手くできず、積読状態の本を見て自分でも焦るわけです。そのため、強制的に書籍を読む手段として、また、読んだ本についてのアウトプットも兼ねてブログを執筆するようにしました。それが「田舎弁護士の訟廷日誌」です。このブログも、「SNS」いう概念が出始めの2005年より開始しておりますので、自分でも思った以上に続いています(現在、記事の数は約6000)。インターネットは当たり前、判例や条文もネットで検索するのが当たり前の時代になり、ありがたいことに「田舎弁護士の訟廷日誌」がヒットする判例も少なからず出てくるようになりました。現在では、アクセス数も300万程になりました。
 そこでタイトルの言葉が出てくるわけです。
 同業での名刺交換の際に名前、事務所名を見て、「田舎弁護士の方ですね」と声をかけられ、「はい、田舎弁護士です」と。
 「地域と人をつなぐ、地域密着のリーガルサービス」をモットーとして25年、地方の弁護士としては珍しい仕事をさせていただく中で、地域に生きることの自負を込めて、これからも、堂々と、「田舎弁護士」を名乗っていこうと思います。

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